オフィスビルのNOIを改善する方法【完全ガイド】
目次
オフィスビルのNOIを上げるには、賃料収入や付帯収益を増やす「増収」と、管理費・設備費を圧縮する「コスト削減」を組み合わせることが基本です。どちらか一方に偏るより、両面から同時に取り組むことでNOI改善の効果が最大化されます。本記事では、ビルオーナーとアセットマネジャーが実践できるNOI改善の具体的な方法を網羅的に解説します。
個別施策を深掘りしたい方は、ビルの付帯収益とは?見落としがちな収益源5選 と 賃料を上げずにNOIを改善する方法 をあわせて読むと、NOI改善の打ち手を具体化しやすくなります。
NOI(純営業収益)とは?改善が求められる背景
NOI(Net Operating Income、純営業収益)とは、不動産が生み出す総収入から運営費用を差し引いた利益のことです。計算式は「NOI=総収入(賃料収入+付帯収益)-運営費用(管理費・修繕費・保険料・税金等)」で表されます。
NOIはJ-REITや機関投資家が物件の収益力を評価する際の基本指標であり、NOIが高まれば物件の鑑定評価額も上昇します。アセットマネジャーにとってはポートフォリオ価値向上の直接的なKPIであり、NOI利回り(NOI÷取得価格)は投資判断の核心となる数値です。IR発表での物件価値訴求にも活用されます。
近年、以下の要因からNOI改善への関心が高まっています。
- 賃料上昇が期待できるエリアの限定化
- 管理コスト・修繕費の上昇傾向
- ESG対応・BCP強化に伴う設備投資需要の増大
こうした背景から、賃料収入だけに依存しないNOI構造を構築することが、物件経営の安定に不可欠になっています。
NOI改善の2つの方向性:増収とコスト削減
オフィスビルのNOIを改善する方法は、収入を増やす「増収」と費用を減らす「コスト削減」の2方向に整理できます。
増収策は、稼働率の向上・賃料の見直し・付帯収益の拡充が中心です。即効性は低い場合もありますが、一度改善すると継続的な効果が見込めます。
コスト削減策は、管理費・エネルギー費・設備費の最適化が中心です。増収策より確実性が高く、施策の実行から効果発現までの期間が短い傾向があります。
両方向から同時に取り組むことが、NOI改善を最大化する鉄則です。たとえば、賃料収入を増やしても管理コストが膨張すれば、NOIは改善しません。収入と費用の両面を定期的に点検する習慣が、物件競争力の維持につながります。
収入を増やしてNOIを改善する3つの方法
NOIの収入面を改善するには、空室率の低減・賃料の引き上げ・付帯収益の活用という3つのアプローチがあります。
1. 空室率の低減 稼働率の改善はNOIに最も直結する施策です。空室1フロア分の賃料損失を回復するだけで、他の改善策の複数年分に相当する効果が得られます。テナントリテンション(既存テナントの継続)に注力しつつ、空室発生時の内見誘致力を高める共用部の整備が有効です。
2. 賃料の引き上げ 市場相場との乖離を確認し、更新時交渉での増額改定を目指します。交渉を成功させるには、設備投資の実績・ESG認証取得・DX対応の進捗など、「物件価値の向上根拠」を提示することが重要です。根拠のない値上げ要求はテナント離れを招くリスクがあります。
3. 付帯収益の活用 自動販売機・駐車場・共用部の広告収益など、賃料以外の収益源を整備します。安定稼働する付帯収益は、稼働率が変動する局面でのバッファとして機能します。詳細は後述します。
コストを削減してNOIを改善する方法
運営費用の削減は、収入を増やす施策よりも確実性が高く、即効性のある改善手段です。主な削減対象は管理費・エネルギーコスト・有償サービスの3つです。
管理費の最適化 PM会社への一括委託・業者統合・仕様見直しにより、BM(ビルメンテナンス)コストを適正化します。競争入札の実施だけでも年間数十万円単位の削減につながる事例があります。
エネルギーコストの削減 LED照明への更新、空調機の高効率機器への交換、デマンドコントロールの導入などが代表的な手段です。初期投資は必要ですが、ランニングコスト削減効果は長期にわたって継続します。
お知らせ配信コストの削減 工事案内・休館情報・防災情報・館内イベント告知などをPCから遠隔配信できる環境を整えることで、従来の印刷費・掲示人件費をゼロにできます。GRAND株式会社が提供するオフィスビルメディア(エレシネマ・エレビ)は、端末代・設置費・通信費・保守費をすべてGRAND株式会社負担で導入でき、ビル側の費用は電気代(月300円程度/台)のみです。オーナー枠を使って遠隔でお知らせを配信できるため、現地への移動・印刷・貼り付け作業が不要になります。
有償掲示システムからの切り替え 既存の有償サイネージや掲示システムを稼働させている場合、GRANDへの切り替えによってランニングコストを削減できます。
付帯収益でNOIを底上げする仕組みと活用例
付帯収益とは、賃料・共益費以外からビルが生み出す収益の総称です。安定稼働する付帯収益を複数持つことで、稼働率変動のリスクをヘッジできます。主な種類と特性は以下のとおりです。
自動販売機収益 設置面積が小さく初期投資も不要です。月額の場所代または売上歩合で安定した収益が見込めます。管理負担も低く、導入しやすい付帯収益源のひとつです。
駐車場収益 稼働率次第で大きな収益源になりますが、立地・周辺競合環境への依存度が高いため、過大な期待は禁物です。料金体系の見直しや時間貸し機能の追加で稼働率を高める余地があります。
共用部スペースの活用収益 エントランス・廊下・屋外スペースなど、テナント区画外の共用部を第三者に貸し出すことで収益を得る方法です。デジタルサイネージの設置スペースをはじめ、自動販売機の追加設置・コインロッカーなど、共用部の未利用スペースを見直すことで付帯収益の余地が見つかることがあります。
変動家賃テナントへの集客支援 飲食・物販など売上に応じた変動家賃(売上歩合)契約のテナントを保有している場合、テナントの売上を増やすことが直接NOIに反映されます。GRANDのオーナー枠を活用してテナントのメニュー・イベント・キャンペーンを在館者向けに発信することで集客を支援し、テナント売上の向上を通じたNOI改善が期待できます。
スペース活用収益 会議室・ラウンジの時間貸しや、コインロッカーの設置も付帯収益源になります。既存共用部の一部を転用するだけで、初期投資を抑えながら収益化できます。
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