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貼り紙から脱却するビル情報発信のDX

目次

ビルの貼り紙や掲示物をデジタル化するには、エレベーターホール・廊下・エントランスの掲示物をデジタルサイネージに置き換え、PCから遠隔で情報を更新できる体制を整えることが基本です。貼り紙は「作る・貼る・剥がす」という現地作業の手間がかかるうえ、ビルの美観を損ない、テナントに「管理が粗い」という印象を与えます。本記事では、PM会社が実践できる貼り紙からの脱却と、館内情報発信のデジタル化の方法を解説します。

物件DX全体の優先順位から確認したい方は、ビル管理DXのはじめ方:PM会社が取り組むべき施策 を先に読むと整理しやすくなります。

なぜ「貼り紙のビル」はテナントに悪印象を与えるのか

貼り紙のあるビルがテナントに悪印象を与える理由とは、手書きや印刷された貼り紙が「管理の粗さ・設備の古さ・情報発信の非効率さ」を視覚的に伝えてしまうためです。

エレベーターホールに工事案内・ゴミ分別ルール・お知らせが複数枚重なって貼られている状態は、日常的に見慣れたPM会社の担当者には問題なく映っても、テナント企業の従業員・来訪者・内見中のテナント候補には強いネガティブな印象を残します。

特に内見時の影響は大きいです。貼り紙が多いビルは、「このビルに入居したら従業員に恥ずかしい思いをさせるかもしれない」という懸念を内見担当者に植えつけます。テナント企業の総務担当者が来客を案内する際にも、「エレベーターの貼り紙が気になる」という声は現場ではよく聞かれます。

貼り紙の問題は見た目だけではありません。「必要な情報がどこに書いてあるか分からない」「古い貼り紙が剥がされないまま残っている」という状態は、情報の信頼性自体を損ないます。

貼り紙管理が生み出す3つの実務的な問題

貼り紙管理が生み出す実務的な問題とは、現地作業の手間・情報の陳腐化リスク・ビルの美観維持の困難という3つの課題のことです。

1. 現地作業の手間 貼り紙を1枚掲示するためには、文書の作成・印刷・現地への移動・掲示・期限後の撤去という一連の作業が必要です。工事案内を複数フロアに掲示する場合は、各フロアへの訪問が必要になります。緊急の掲示(設備故障・停電案内など)があれば、即時対応のために現地へ駆けつける必要があります。管理物件が複数ある場合、この作業負担は比例して増大します。

2. 情報の陳腐化リスク 貼り紙は貼り出した後の更新・撤去が手動管理に依存するため、情報が古くなっても残り続けるリスクがあります。「先月の工事案内がそのまま残っている」「変更前の案内が見える場所に残っている」という状態は、情報の信頼性を損ないます。

3. 美観維持の困難 テープの跡・貼り紙の端の浮き・フェードした印刷物・角の折れなどが積み重なると、ビルの共用部が雑然とした印象になります。清掃を徹底しても、貼り紙が多い限り整然とした美観を維持することは難しくなります。

貼り紙をデジタル化するための3つの選択肢

貼り紙をデジタル化するための選択肢とは、デジタルサイネージ・テナント向けメール・管理ポータルの3つであり、それぞれに用途と特性があります。

選択肢①:デジタルサイネージ(最も効果的) エレベーターホール・かご内・廊下・エントランスにディスプレイを設置し、遠隔から情報を更新・配信します。「通るたびに目に入る」物理的な接点として、就業者への到達率が最も高い手段です。貼り紙の代替として最も直接的な効果があります。

選択肢②:テナント向けメール・管理ポータル 工事案内・休館日連絡などの定期的な案内をメールやポータルで配信します。現地作業は不要になりますが、就業者個人への到達率はテナント総務の周知に依存します。貼り紙の完全な代替ではなく、補完的なチャネルとして機能します。

選択肢③:QRコードと組み合わせた掲示の最小化 必要最低限の固定掲示物にQRコードを付け、詳細情報はウェブページに集約します。貼り紙の枚数を減らしながら、デジタル移行への過渡期として活用できます。

デジタルサイネージへの切り替えで解決できること

デジタルサイネージへの切り替えで解決できることとは、現地作業の削減・情報の即時更新・美観の維持・就業者への直接的な情報到達という4つの課題を同時に解消できることです。

具体的な改善内容は以下のとおりです。

  • 現地作業ゼロ:PCブラウザから情報を入稿するだけで、設置場所のサイネージに即時反映されます
  • 緊急時の即時対応:設備故障・停電・緊急工事の案内をオフィスから即座に配信できます
  • 情報の自動更新:掲示期間を設定することで、期限が来た情報が自動的に消えます
  • 美観の維持:テープ跡・剥がれ・フェードした印刷物が発生しません
  • コンテンツの充実:静止画だけでなく動画・ニュース・天気予報などを表示でき、就業者にとって価値ある情報接点になります

GRAND株式会社のエレビ(エレベーターホール向けオフィスビルメディア)・エレシネマ(かご内プロジェクター)は、端末代・設置工事費・通信費・保守費をGRAND株式会社の負担で導入できます。ビル側の費用負担は電気代(月300円程度/台)のみです。PCブラウザから遠隔で入稿・更新できる電子掲示板が提供されており、デザインテンプレートの無償提供とAIを活用したレイアウトツールにより、PM会社の担当者がデザインスキルなしで見栄えのある掲示物を作成できます。

導入から運用までの実践ステップ

デジタルサイネージ導入から運用定着までの実践ステップとは、現状の把握・サービス選定・導入・運用ルール設計・定着という5つのプロセスを順に進めることです。

ステップ1:現状の把握 現在の貼り紙・掲示物の種類・枚数・更新頻度・担当者を棚卸しします。「どの情報をデジタルに置き換えられるか」「現地に残す必要がある掲示物は何か」を整理します。

ステップ2:サービス選定 設置エリア(エレベーターホール・かご内・廊下など)・物件規模・ビルの建物条件に合わせてサービスを選定します。初期費用・月額コスト・コンテンツ更新の操作性・サポート体制を比較して判断します。

ステップ3:導入と設置 工事の日程調整・テナントへの事前案内・設置工事を実施します。エレベーターへの設置はエレベーター保守会社との共同施工が必要な場合があります。

ステップ4:運用ルールの設計 誰が・どの情報を・いつ更新するかの運用ルールを明文化します。緊急時の情報発信フローと担当者を事前に決めておくことが、導入後の混乱を防ぎます。

ステップ5:テナントへの周知と活用促進 デジタルサイネージの設置後、テナントの総務担当者に「テナント向けの情報発信にも活用できる」ことを案内します。テナント企業が自社の就業者向けにコンテンツを配信できる仕組みを案内することで、デジタルサイネージがテナントにとっても価値ある設備として認識されます。

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